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惚れて通えば千里も一里

瑞山いつきの公式ブログです。

 

東京都の青少年育成条例改正案をご存じでしょうか?(21日追記) 

漫画・アニメの「非実在青少年」も対象に 東京都の青少年育成条例改正案

ちょっと長い記事ですが、できればご一読いただければいいなと思います。漫画やアニメと記事にはありますが、小説、ゲーム、同人誌等の創作物のすべてがこれに入ります。プロアマ問いません。

「東京都の条例だから関係ない」と言う方もいらっしゃるかもしれませんが、

大手出版社のほとんどは都内にあり、流通の要も東京都です。

改定案が施行されれば、すべての創作物に影響があるのだということを念頭においてくださるよう、お願い申し上げます。

注目していただきたいのが下記の部分です。

都の改正案のポイントは、「青少年の健全な育成」に対する考え方の拡大だ。改正案では、18歳未満の青少年が性的対象として扱われている書籍や映画などを「青少年性的視覚描写物」と定義。その上で、「青少年性的視覚描写物をまん延させることにより青少年をみだりに性的対象として扱う風潮を助長すべきでないこと」を都の責務だと規定している。

現行条例が「不健全」性を「性的感情の刺激」「残虐性の助長」「自殺や犯罪の誘発」という比較的あいまいな表現で規定しているのに対し、改正案はこれに「青少年をみだりに性的対象として扱う風潮の助長」、つまり「青少年性的視覚描写物」という特定のジャンルの表現そのものを「不健全」なものとして追加、制限の対象に加えている。「青少年を性の対象にする」表現の抑止が改正案の狙いの1つだ


創作作品の表現も条例の対象に含めたのが大きな点だ。改正案は、漫画やアニメなどの登場人物のうち、服装や所持品、学年、背景、音声などから「18歳未満として表現されていると認識されるもの」を「非実在青少年」という新語で定義する。

その上で「非実在青少年」による性交などを「みだりに性的対象として肯定的に描写」することで「青少年の性に関する健全な判断能力の形成を阻害し、青少年の健全な成長を阻害するおそれがあるもの」も、不健全図書に指定できるようにした。従来の基準に該当しない漫画やアニメでも、「非実在青少年」による性行為などを描いている場合、不健全図書に指定される可能性がある。



はっきりいって、ほかにも抜粋したいところは山ほどありますが、クリエイターの端っこにいる人間として、身近でわかりやすい問題を重点的に書かせていただきたいと思います。

もっと詳しく問題点を知りたいと思ってくださった方は、親切な方が問題まとめサイトを作ってくださっているので、そちらをご覧くださいませ。


わたしはグロい性行為のある物語を肯定しているわけではありません。内容によってある程度の制限は必要だと思いますし、子供の手の届かない場所に置くよう配慮することもいいことだと思っています。

この改正案のわかりやすい問題点は、『従来の基準に該当しない漫画やアニメでも、「非実在青少年」による性行為などを描いている場合、不健全図書に指定される可能性がある。』ということです。

たとえば残虐な犯人がいるミステリー、18歳未満の出産が当たり前だった時代のロマンス、性行為まではいかなくても、18歳未満の人物の性を強調したギャグなど、性行為を主軸においていない物語も「不健全図書」として指定を受ける可能性があるのです。

世の中には出血シーンがあるだけでページを閉じられる繊細な方がいらっしゃいます。「残虐表現」と一口にいっても、その基準は人それぞれです。

同じように異性のどこに性的魅力を感じるかも人によって異なります。主観によって左右されるものを「青少年性的視覚描写物」という表現でひとくくりにまとめようとしてしまうと、具体的な規定が必要となります。下着や局部を書かないという指定もその一つです。

つまりは常にパンチラをしている「サザエさん」のワカメちゃんも、局部を露出したギャグを用いる「クレヨンしんちゃん」も、「不健全」なものとして制限の対象に加えられる可能性があります。

「あんなののどこに性的興奮をするんだ!」と訴えても、規定に反していれば条例違反です。具体的な規定がある以上、主観による訴えは通じません。

極端な例なのかもしれません。けれど、都の改正案が伝えていることは、そういったことです。

やりすぎだと、わたしは思います。

15日、改正案に反対する漫画家のちばてつやさんや里中満智子さんらが、都庁で記者会見を開きました。

中里さんらは「規制によって、出版が事実上制限され、日本が誇る漫画・アニメ文化が衰退する」、「悪い漫画といい漫画を区別できるのか」と批判し、

ちばさんは「文化や表現など新しいものが起きるときはいろんな種類の花が咲く。スミレやサクラなどかれんな花もあれば、ジャングルで形もにおいもすごいラフレシアのような花もあるが、根っこですべて繋がっている。『この花は汚い』と根を断つと、植物群全体が滅ぶ」と改正案を否定しました。

 漫画家の永井豪さんは「私は『ハレンチ学園』で世に出てきた。当時もたたかれたが、規制が始まるとこの作品も確実に出せない。くさい物にはふたをしろと規制するとかえってゆがんだ人間が増える」と述べたそうです。このほか藤子不二雄Aさんやさいとう・たかをさん、萩尾望都さん、西岸良平さんら著名な漫画家らが反対者リストに名を連ねています。

けれど、都青少年・治安対策本部は「すべての性描写が規制されるわけでなく、大人への流通も制限されない」として、漫画家の創作活動には影響しないと反論したそうです。

イメージの規制があるということは、すでにその時点で創作活動に影響が出ます。

残虐な表現で、読者の怒りや哀しみを引きだすよう意図する手法だってあります。逆に、それに耐えて正義を貫くキャラクターに感動と尊敬を覚えることだってあるでしょう。そんな手法は必要ないというのであれば、それは日本が憲法で認める表現の自由を侵害していることにならないでしょうか?

日本の憲法は第21条において表現の自由ないし言論の自由、検閲の禁止について規定しています。東京都が行おうとしていることはイメージの規制であり、憲法第21条に抵触するものではないかと考えます。



ある程度は調べさせていただきましたが、わたしは無学な人間なもので、もしかしたら間違ったことを記載してしまったかもしれません。そういった場合は遠慮なくご指摘ください。事実を確認した後、すみやかに訂正させていただきます。

漫画家さんたちに限らず、たくさんの小説家さん、シナリオライターさん等のクリエイターたちが、この改定案によって表現の自由を奪われることを心配しております。

同じビーンズ文庫で執筆されている菅沼理恵さんも、ブログにて改正案を憂える声をあげております。(直リンクの許可は取得しております)

少しでもこの条例が気になる方、どうにかしたいと思ってくださった方は、上記にあげたまとめサイトにリンクしてある「非実在青少年」規制問題・対策まとめをご覧くださるよう、お願い申し上げます。

長々と書いてしまって申し訳ありません。読んでいただいてありがとうございました。

※最後に、本来当ブログは記事への直接リンク、転載をお断りさせていただいているのですが、東京都が行おうとしている改正案を一人でも多くの方に知っていただくため、カテゴリ「青少年健全育成条例について」の記事のみ、リンクフリーといたします。必要だと思われた方は、ご自由に転載くださいませ。


【21日追記】
ご存知の方も多いでしょうが、漫画やアニメでの18歳未満の性描写を規制する東京都青少年健全育成条例改正案について、東京都議会総務委員会は19日、継続審議とすることを全会一致で決めました。改正案は条文の見直しも含めた検討を経て、6月の定例議会で改めて審議される見通しです。

繰り返しますが、廃案ではなく継続審議です。

18歳未満の性交、裸、下着、同性愛、残虐シーンはすべて成人規制。小説は手が回らないから規制はつかない、でもイラストは規制される。いや図書類なんだから全部規制対象だ──見方によってはそう取れてしまう条例改定案によって、また関係者からそんな返答を受けたという情報によって、ネットでは憶測が飛び交いました。中には都庁に傍聴にいったり、都議員に直接確認を取られた方もいらっしゃいました。

確認を取られたという方の報告をいくつか読ませていただきましたが、正直、規制賛成派の都議員さんのすべてが、きちんと改定案の内容を把握しているとはいいがたいようで、詳細の異なる返答をされている方が目立つ印象を受けました。

今回の審議で「『ハレンチ学園』は規制対象にならない」、「『風と木の詩』は規制対象にならない」という発言があったそうですが、それを聞いた時、安心感よりも「じゃあ何を規制したいの?」との疑問のほうが強かったです。

不勉強者にて未読なのですが、ちょっと調べただけでも、『ハレンチ学園』には18歳未満の者の裸があり、『風と木の詩』は少年同士の性交渉、レイプ、父と息子の近親相姦といった過激な描写があることがわかりました。都が規制したいと言った内容のものそのものではないかと思ったのですが、答えは否で戸惑いが強かったです。上記二作が大丈夫なら、今の成人指定と何が異なるのかわかりません。

正直、議題としてだすのなら、その準備期間が少なすぎたように感じます。なので、あの内容のまま議決されなくて安堵いたしました。

規制賛成派の方がおっしゃられているように、売上を重視しすぎて出版側の倫理がゆるんできているという指摘もわからなくはないのですが……こればっかりは主観によるところが大きいので正否をだせる問題ではないのではないかと思います。ただ、出版界の規制問題はそれこそ昔から繰り返されてきたことなので、たまにならこうして議題にあがって、書き手、出版社の倫理を見つめ直させるというのもいいことなのかもしれません。

6月の定例議会、創作側の人間として、選挙権を持っている人間として、注目したいと思います。

Category: 青少年健全育成条例について

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