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惚れて通えば千里も一里

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白と黒のバイレ 鳴らせ、再幕のブレリア(ネタバレ注意) 

白と黒のバイレ    鳴らせ、再幕のブレリア白と黒のバイレ 鳴らせ、再幕のブレリア
(2010/08/31)
瑞山 いつき

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ややネタバレではなく、正真正銘ネタバレしておりますので、ご注意ください。
短編集のタイトル説明についてはあとがきで書いたので割愛しますね。初の連続刊行で半泣きになりつつ頑張りました。最終巻です!!

◆「幕間のフーガ」
説明はいらないかもしれませんが、フーガとは遁走曲のことです。スペイン語でもフーガはフーガのままだったので、そのまま使いました。
雑誌掲載時より大量に書き加え……というか、削った部分を復活させたり修正したりしております(笑)

鬱屈したブランカのために、リリアナが「駆け落ちごっこ」を企てたお話ですね。何が嘘で何が本当で、どこまで本気でどこまで遊びだったのか、それを許そうとしたのか、考えていただければ嬉しいなと思います。


時系列は1巻の序章と一章の間ですね。せっかく国のために嫁ぐと決めたブランカなのに、呪いのせいでフラマ王国への輿入れが宙に浮き、かなり不安だったろうなぁと思いながら書きました。本人も辛いだろうけれど、それを間近で見ていたリリアナもきっと辛くて、それでも逃げたいなんて言えないブランカのためにリリアナが用意したのが「駆け落ちごっこ」でした。

それぞれがもうちょっと我が儘でいることができたら、きっと結末は変わっていて、バイレ一巻の一章は駆け落ち先からはじまっていたかもしれませんね(笑)

ちなみにスペインでは一日に五回食事があって、朝からチューロをホットチョコレートにひたして食べるのも一般的な朝食風景だそうです。

◆「幕間のサルスエラ」
サルスエラとはオペレッタの一種で、スペインの台詞入りの音楽劇のことです。
雑誌掲載から短編集収録まで時間が短かったことと、削ってから更に色々と改稿してこの形に収まったものだったので、削った箇所を戻すのが難しかったこともあり、こちらはほとんど雑誌掲載時のままです。

本音を隠した、自分たちのための茶番です。主従の線引きのために、お互いにお互いの役柄を思いだすために、必要な芝居でした。


時系列は2巻と3巻の間です。

ページ数が少ないからバトルなし!を、前提に考えたお話でした。常々「バトルがないとラブが書けません」と公言している身ですが……人間、やろうと思ったらなんとかなるものです(笑)もちろんツッコミはバトルに入りませんとも。

肉料理を羊肉にしようか鶏肉にしようかギリギリまで悩んで、地形的に羊は難しいのではないかとふと気づき、鶏にしました。

学生時代にお嬢様言葉に関する本を読んだことがありまして、その中に「真のお嬢様は周囲に汚い言葉を使う者がいないから、汚い言葉を知らない」(うろ覚え)というような一文がありました。冷静に考えれば汚い言葉を使うような使用人をお嬢様の側に置くことはないでしょうから、当然と言えば当然なんですが、当時の自分にはその一文がものすごい衝撃的な言葉に思えて、これは心に留めておかねばと決意した結果、今回の物語と結びつきました(笑)

セロは粗野な言葉遣いですが、ブランカにむかって「ブス」とは言わなかっただろうし、ブランカが小耳に挟めるような場所でそういった言葉を使う人間もいなかったでしょうしね。

きっとあれから少年は、二度と女性に対して侮辱的な言葉を使わなくなったのではないかと思います(合掌)

◆「終幕のデクララルセ」
デクララルセとはスペイン語で「愛情を告白する」という意味があります。
三巻の九章でのセロは、すべてを捨てて、捨てさせてブランカとの愛を貫こうとしていました。なのにリリアナに外堀を埋められた結果、気がつけば何も捨てなくていい状態になってしまい、固めた覚悟がふわりと宙に浮いて戸惑ってしまったようです。

現状を受け止めて、改めてセロがブランカにプロポーズをするお話ですね。別の言い方をすれば、マリッジブルーになったセロのお話(笑)


このお話からすべて書き下ろしで、3巻後のお話になります。

「セロが登場するエンディングを!」との担当様のご要望にあわせて考えた結果、そんな簡単に王族であるブランカを受け入れてほしくないなと思ったんです。けろっとブランカの降嫁にうきうきできるほど王族としてのブランカが軽いのなら、1巻からの葛藤はなんだったんだという話になってしまうので。

作中にも書きましたが、セロとブランカの婚姻が許されたのはペルドゥラルのせいで周囲がきな臭くなって、戦争がはじまりそうになったからこそ、戦場のカリスマである《ルスビエントの剣》が救国の姫君の隣にいるということを国内外にアピールして国内に安心感、国外に力押しの難しさを印象づける狙いがありました。要は王族と軍部の結びつきを強くしたのですね。余談ですが、ブランカたちを題材にしたロマンティックな劇とかも世間にあふれて色々と活気づいたことでしょう。

政策の一環でもあるから、いままで大目にみられていた貴族同士の付き合いにもでなきゃならないし、周囲が盛り上がれば盛り上がるほど、置いてきぼり感は強かっただろうなぁと思います。絶対めんどくさいし。

セロが新たに必要としたのは、0からはじめる駆け落ちの覚悟とはまた違う、王族を娶る覚悟です。

ついでに三角関係(?)の決着が裏テーマでした。

◆「幕裏のアルージョ」
アルージョとは子守歌のことです。
誰も眠ってはいませんが、子守はしているし、意味が違えども夢を見ているからまあいいかと。
ちびっ子二人は両親の性格、性質をブレンドしております。アスセーナは外見だけは完全にブランカですが、甘やかされて育ったので両親よりも大らかな性格をしております。

八歳だったブランカと、現在八歳であるアスセーナの対比を楽しんでいただければいいなと思います。


マルディシオンがいるので、アスの子育てはブランカの時と比べてものすごく楽だったのでしょう。その代わり、必死で自分の魔力を制御する必要がないから、なかなか上達はしにくい模様。

こちらのお話は構成部分でものすごく悩みました。はじめはリリアナとブランカの出会い編だけ書くつもりだったのですが、どうにもしっくりこなくて……担当様に相談したんだっけかな?(記憶が遠い)アスたちを書いたらしっくりまとまったので、母娘で対比できるように年齢を合わせました。

さりげなくトマスはリリアナに一目惚れしていたんだよと書けて満足でした(笑)

◆「再幕のバイレ」
そのままですね(笑)
再び幕が上がり、今度はブランカ、セロ、リリアナの子供たちが、自分たちの舞台で踊っております。
かつて肉体年齢十二歳で旅立ったブランカに対し、今回のアスセーナは正真正銘の十二歳です。そのため魔力も剣技も発展途上にあります。けれど目標を見つけたようなので、これからぐんぐん力をつけていくことでしょう。

ようやく落ち着いたかと思われたセロの苦悩は、まだまだ続くようです(笑)


実は裏設定が色々あるのですが……うーん。いつか書く日のために止めといたほうがいい……のかな?

アス主役で続編書きませんかと担当様に言われたけど、色々あったので商業誌で書くことはないんじゃなかろうかと思います。元々、書くとしたら同人誌かなと思っていましたし。

理由は二つ。単純にすぐ書くにはネタがないということ(マルディシオンを牢獄から解放する必要があるので、相応の事件が必須)。アスの性格と立場は少女小説では割合よくあるものなので、わたしが書いても埋もれそうだなと思ったことです。


ちなみにこの時のリリアナはもうお役御免でトマスの元に戻ってますが、ブランカが臨月だったので助っ人として領主館に滞在していました。ティアはもちろん侍女見習いとして住み込みをしております。

ブランカに二人目ができるまで時間がかかったのは、アスの魔力が安定するのを待ったためです。さすがにまた銀髪の子が生まれたら大変ですしね(笑)ちなみに二人目のお子さんは男の子で、金髪です。防魔じゃないけれど《黒き光〈ネグロパルス〉》の後継者。父譲りの身体能力と剣技を持つ、やや目つきの悪い美少年になる予定。

いつか17歳になったアスを書いてみたいなとは思うので、時間がある時にその気になったら外伝として物語を練ってみます。需要なんて気にしない。そのうちとかいっている間に自分で忘れそうな気もするので、あーなんかそんなこと言っていたな的に、ゆるぅ~く受け止めていただけると嬉しいです。どうやってもショートショートは無理なので、その時はやっぱり同人誌かな?



【初出】※『幕間のフーガ』は著作リストの文庫本未収録作品に入れていたものをそのまま抜粋。上記のとおり、文庫収録にあたりかなり加筆しております。
2010年3月号
『The Beans VOL.14』より

『白と黒のバイレ 幕間のフーガ』
・サブタイトルのフーガには遁走曲という意味があります。スペイン語でもフーガはフーガのままだったので、そのままいきました。

・呪い初期段階のブランカとセロが、リリアナの手引きによって『駆け落ちごっこ』をするお話です。

さあ、『駆け落ちごっこ』をいたしましょう。
   それは有閑の戯れ、かりそめの気分直し。
    でもね、それは、本当に『ごっこ』なの?

・担当様のあおり文句が絶品でした♪白黒イラストが2枚もあって、扉のブランカがめちゃくちゃ可愛いかったです♪中のイラストのセロの無造作っぷりと、彼らの朝食がイメージ通りですごく嬉しかったですね♪

・ブランカ、セロ、リリアナの嘘と本音と建て前を想像しながら読んでいただければいいなと思いながら書きました。仮にあの遊びが『ごっこ』でなくなってしまったら、一番最初に危険な立場に置かれるのはリリアナです。わかったうえでリリアナはブランカを送りだしています。『駆け落ちごっこ』はブランカを信じていたけれど、ブランカの幸せを願ってもいたリリアナの賭けでもありました。

・最後の単語を『本音』にしようか『本気』にしようかギリギリまで迷いました。原稿中~ゲラの赤入れまで4,5回『本音』と『本気』の間を行き来して『本音』にしましたが、まだ正解がわかっておりません。

・同誌にイラストレーターの結川さんが見開きのカラーイラストを書き下ろしてくださいました♪一巻の後半シーンを連想させるように、さりげなく鳥かごに入っているブランカが嬉しかったです。女性陣は可愛らしくて、男性陣はかっこよかったのですよ♪中身あんな性格で申し訳ない(笑)

2010年9月号
『The Beans VOL.15』より

『白と黒のバイレ 幕間のサルスエラ』
※すぐに短編集に掲載される流れとなったので、文庫未収録リストに書く暇がありませんでした(苦笑)

Category: ビーンズ文庫裏話

Tag: 白と黒のバイレ裏話 
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