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惚れて通えば千里も一里

瑞山いつきの公式ブログです。

 

『スカーレット・クロス』の世界観その他について(ネタバレ注意) 

どこかで、「元々別の文庫に投稿しようとしたのが時機を外してしまって、丁度いい時に締め切りがあったビーンズに投稿した」という話をしましたが、さらに暴露すれば練習作でした。

しばらく原稿用紙300枚前後の小説を書いていなかったもので、「この長さのものを書く」というのが目的でした。それで書けたから投稿しようみたいな……生意気にも、自分の中では別の話でデビューするつもりでした(笑)

もちろん、調べるべきものを調べてから取り組みましたが、投稿してデビューがどうこうではなく、「これじゃ受からないだろうけど書きたいから書いた」作品なので、世界観がいい加減です。すいません。

ざくざくっと徒然に書いてみましたが……おおまかな設定だけ読んで喜ぶ人っているんだろうか?(笑)←いまさら。

ネタ帳も小説も読み返すことなく、覚えている外枠の設定だけ思いつくまま書いたので、読んでもつまらないでしょうが、それでもいい方はどうぞ。


『スカーレット・クロス』シリーズのサブタイトルにある『月』は、ツキシロからとった『月』と、作中の魔物や登場人物の暗喩も兼ねています。

シリーズタイトルは担当様につけていただきました。



キシュラヤ教はキリスト教、イスラム教、ユダヤ教の名称をアトランダムに抜き出して、組み合わせたものです。カトレット教会はプロテスタント教会、カトリック教会の名称を以下同文。

似た名前ならば、深い説明をしなくても読み手が宗教内容を連想してくれるんじゃないかという姑息な手段です(笑)

聖典の正約聖書の内容も、新約聖書、旧約聖書、偽典、外典、そしてオリジナル設定をごちゃ混ぜにしたものです。

ちなみに新約、旧約の『約』は、『約束』『契約』の『約』です。神様と人間との約束事をまとめたものが聖書なので、正約聖書は『神様との正しい契約』という意味でつけました。

ロザリオはそもそも十字架のことではなく、十字架のついた数珠のことだったりします。聖道具の意味でも充分通用するので、十字架=ロザリオで表記しました。

数珠は大珠と小珠が組み合わさっていて、その数もそれぞれ意味があり、どうせだからキシュラヤ教でも意味を作ろうと考えかけたのですが、冷静に考えてそこまで小説で語る機会はないと気づき、銀の鎖に変更しました。(イラストでは銀の鎖に美しい琥珀の数珠を追加していただきました)

確か、はじめはわりと真面目にキリスト教のエクソシストを主役に据えようと思って色々と調べたんですよ。

しかし、キリスト関連は恐ろしいほど資料が多いうえに、十字を切る仕草一つとっても、宗派によって右から切ったり左から切ったり、縦から切ったりと分かれているから、途中でぶち切れて「もういい!自分で宗派作る!!」と参考に留めることにした次第です。

投稿作を書き上げた時は、「もう二度と宗教ものは書かない!!」と固く誓ったものですが、まさかそれが受賞してシリーズ化するとは夢にも思いませんでした(笑)



どこかのあとがきで書いたような気がしますが、ギブの人格形成その他のイメージはイエス・キリストです。
神の子、救世主としてのイエスではなく、人間としてのイエスは、聖書から判断するに、絶対に聖人君子ではなかったと思うんですよ(笑)

少なくとも女好きだったはずです。そしてわがままです。そう考えなきゃ行動に納得できない点が多々あるんですよ!

ええ、わたしが捻くれているからそう解釈しているだけです。自覚はあります(だから信者の方は戯言で流してくださいね)

もちろん、人を率いるに足るカリスマは輝かんばかりにあったと思います。当然、いい男だったのでしょう。

仮に外見がどうであったとしても、彼が自分の正義を持っていて、それを実行に移せる人であったことには変わりなく、人間としてとてもかっこいい人だったのだろうなと思います。



これもどこかに書きましたが、登場する魔物は基本的にアンティークモンスターで統一しています。それを『スカーレット・クロス』の世界観に当てはめて改変しました。

吸血鬼と人間の混血の名称をダンピールにしなかったのは、吸血鬼以外の魔物と人間の混血も含めて、名称を統一したかったからです。



内容にかかわってはいませんが、王制の国が多いのは、宗教が力のある世界観だからです。

キシュラヤ教の民衆に対するわかりやすい奇跡として祓魔能力があり、その奇跡を統括するのが神の使いである法王です。すごくわかりやすく言えば、「法王に認められる=神に認められる」という図式ができあがっているうえ、魔物の脅威に対抗するためにもカトレット教会の機嫌をとらねばならないので、各国は形式的にも政務的にもカトレット教会に頭があがりません。

民衆にも『主の奇跡の恩恵を受けている』という意識が広まっているから、神父服を着ていれば、どこにいっても優遇されます。

もちろん、神聖視とはまた別の見方も長い歴史の中で広まっていて、『祓魔』と『奇跡』をわけて考え、『聖職者も所詮は人間』と思っている現実的な人間も多いです(特に都会)。



人の名前は聖職者は某国の俳優さん+聖者の名前というのが多いです。
サブキャラはほとんど聖書から。敵の魔物はそれぞれ適当だったり、それっぽい意味があったり……。

どうしても思いつかない時は、資料本の著者様から何文字がいただいたり(笑)

ツキシロの名前だけは最後まで決まらなくて苦労しました(主役なのにな)



わたしは基本的に無宗教ですが、タチが悪くない内容なら人の信仰を否定するつもりはありません。
キリスト教っぽいものを題材にいれたかったのは、中学校か高校の時の教師(教科も忘れたけど)の雑談を覚えていたからです。

彼の友人というのが大学院で研究をしている人で、もちろん科学信仰の無神論者だったそうですが、ある日「生物の誕生を再現しよう」と、研究室の水槽で当時の海とか空気とかを再現してみたそうなんですよ。何年も研究を続けて、ようやく「なんかそれっぽい細胞」が生まれたそうなんですが、それを境に友人は熱心なキリスト教徒に変わったそうです。

いわく、「あれを何億年続けても、生物になるとは思えない。何か特別な力の介入があったから、生命が誕生したんだ」

「何か特別な力の介入=神」。という結論に落ち着いたそうで、わたしはその考え方がすごく気に入りました。

当時のわたしはキリスト教に限らず、一神教を毛嫌いしていたのですが、「自分の心の弱さを支えるため」ではなく、信仰とは別次元で「現実的に考えて、神はいるはずだ」という結論が面白かったんですよ。

『スカーレット・クロス』の物語の根底には、その話が深くかかわっています。

Category: ビーンズ文庫裏話

Tag: スカーレット・クロス裏話 
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